私たちは四季を通じて、光と風をコントロールし、機械に頼らず自然の力を利用して快適に暮らすことができる住まいづくりを目指しています。例えば福井の厳しい冬でも、室内に太陽の熱を取り込み、その熱を逃さなければ、室温を保つことができます。暑い夏も太陽の熱を遮断し、外からの風を室内に流すことができれば、エアコンをフル稼働させる必要もありません。また、陽射しを室内に取り入れることで、明るい室内をつくることができるのです。建物の形や向き、窓の位置や庇や軒の出などにより、太陽光や熱、通風などの「自然エネルギー」をそのまま受動的(パッシブ)にコントロールして快適な住環境を設計する建築デザインをご提案いたします。
室内を涼しく保つために、侵入する日射量を軽減する工夫を施します。例えば、軒や庇、さらには庭木を利用することで太陽光を遮ります。また、リビングに吹抜けを設けたり、室内の高い位置(小屋裏等)に換気用の窓を設けることで立体的な風の流れを作りだします。これらの対策で冷房エネルギーを15〜45%程度軽減できます。
冬期は、軒や庇の下をすり抜けて窓から入り込む陽射しを蓄熱し、日が陰ったときや夜間に利用します。そのため、南向きや東向きの窓を多くとり、さらに床・壁・天井などに蓄熱効果のある熱容量の大きい自然素材を使用します。これらの対策で暖房エネルギーを5〜40%程度削減できます。
自然の風が吹き抜ける心地よい住まいにするために大事なことは、窓の配置と形状です。敷地が持つ本来の風の流れを考えながら、風を採り込む窓と、風を逃がす窓の2つの窓を対角線上に配置することで心地よい空気の流れを生み出します。また、立地条件によっては、窓の形状を引違いではなく外に開くタイプ(縦すべり出し窓)を採用します。建物と平行に流れる風をキャッチして、効率的に風を採り込むようにするためです。間取りの考え方と窓の配置や形状次第で、エアコンに頼りきらない優しい自然の風を感じる快適な生活をおくることができるのです。
引き違いの窓では、壁に並行に流れる風は、あまり室内に入ってきません。
縦すべり出し窓なら、壁に平行に流れる風を捕まえ、室内に採り込むことできます。
風はまっすぐ進み、壁にぶつかれば、曲がって更に進みます。その習性を理解して風の入口と出口をつくる設計が必要です。そのため、各居室は全体の角(コーナー)に配置して、それぞれ対角線状に2ヶ所以上の窓を設けます。
ハウジングサービスでは、無料の「家づくり教室」を定期的に開催してます。家づくりの知識を得ることは、快適な住まいを実現できる第一歩です。ぜひ、お気軽にご参加ください。